桜
春の透き通る光が
景色を映し出す
忘れてしまいたい出来事が
忘れてしまわないように
母に手を引かれ歩いた あの道
友とふざけあった 小さな公園
あなたに見せてあげた あの風景
永遠というものはないと
気づいていたけれど
永遠というものに
抱かれていた日々
雪の色を残すように
桜の花が咲く
季節を繋ぎとめるように
桜の花が咲く
心を温めるように
春の風がそよぎ来る
消えてしまいそうな 何かを
そっと 包み込む
父の肩車から掴もうとした 一番星
悲しみを紛らわすように聞いた あの歌
あなたと微笑みあった あの時
永遠というものはないと
気づいていたけれど
永遠というものに
抱かれていた日々
時を巻き戻すように
桜の花が咲く
始まりを気づかせるように
そっと 桜の花が咲く
グチ
自分のキャパシティの小ささを思い知らされる
最近
逃げたい衝動を受け入れそうになる
夜空の星をつかもうとして
砂山を築き続けて来たようだ
終わりなき 無駄
360度の空間
見えない球体の中で
諦めのタネに誰かが 水をやる
力のない物体の中
心だけが
無邪気な駄々をこねる
大きな力を思い知らせる
今
突っ伏した自分が溶け落ちそうになる
希望という名は知っているが
どんな形をしているのか 分からずにいた
嘲笑すべき 無知
鋳型に埋まり
支配された時間の中
私のスイッチを
誰かが 切ろうとする
光すら闇に感じる
心だけが
無邪気な 駄々をこねる
希望を生み出せと
力無く
無邪気に駄々をこねる
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